まず、助走をつけて。

 

「だッッ!!」

 

獄寺くんの頭を踏み台に。

 

「ぐはッッ!!」

 

オレの後頭部に手加減ナシの蹴りを入れて。

 

「お、小僧!」

 

山本の右肩に着地。
リボ様、今日も10点満点。

 

 

 

 

 

 

「すげーのな、小僧。
 相変わらずの早技だ」
「当たり前だ、オレを誰だと思ってやがる」
「はははッ!言うじゃねーか!!」
放課後の帰り道、部活の無い日に山本も含めた三人で帰ると、大体はこうなる。
「今日も暑いなー。アイス食って帰るか」
「ん、いーなソレ」
「いくぞ山本」
「おう」
蹴り倒した相手には目もくれず、リボーンはさっさと山本を連れて行こうとする。
え、ちょっと、ソレってなんか酷くない?

 

「ちょ…ッ、ちょっと待ってよリボーン!!」
「ツナ、獄寺、早く行こうぜー」
「山本も!!オレ達酷い目にあってんのに言うことそれだけー!?」
「……チッ、生きてたか」

 

今さらっと舌打ちしちゃったよ、この赤子ー!!

 

「獄寺くんも、大丈夫?」
「は、はい、10代目、オレは全然……っていうか、10代目の方が」
「いや、オレはいつものことなんだけどね」

 

もう、毎日すり傷きり傷だらけなのには慣れっこだけど。

 

「おぉーい、ツナも獄寺も置いてっちまうぞー?」
「置いてけ山本」
「ははは」
「………ちょっと、山本にひとつブッ放してもいいッスか?」
「ダメ!ダメだから獄寺くん!ダイナマイトしまって!!」

 

ああもう、この面子が揃うといつもこうなっちゃうんだから!!
誰か何とかしてーー!!

 

 

 

 

 

<END>

 

 

 

 

ツナは苦労性。

久々に一人称になった…。