From: Kiyosumi,S こんなに大事にしたいって思える仲間ができるだなんて、 正直俺は思ってなかった。 昔の俺なら、きっと何処にも属さず未だにあっちこっちフラフラしてたんじゃないかって、 そんな風にすら思える。 違いは、一体何だったんだろう? それだけの価値を、俺はこの仲間達に見出していたってコトなんだろうか。 友情ってモンは案外薄情なモノで、自分にマイナスになるような事なら 平気で見捨てたり手離したりするコトができる。 そんな、ある意味で淡白なモノなんじゃないかって、そう思ってる。 じゃあ、自分にとってどれだけ不利益な現状が目の前にあったとしても、 決して揺るがない絶対的な友情…ううん、もう愛情って言ったって良いよね、 それって一体何なんだろうなって考えて。 思い浮かんだのが、親兄弟のコトだった。 微妙にニュアンスは違うんだけど、近いものはあるんじゃないかな。 何があっても決して切れないもの……切りたいとも思わないもの。 俺達にとって跡部や向日、そして忍足は、何があっても手離したくない存在。 愛情って言うのは言い過ぎだけど、友情というにはもうちょっと深いカンジ。 そういうコト、なんだよね。 だから最後まで、どれだけ危険だからって解ってても手を離すことができなかったんだ。 もちろん、これがあの3人じゃなくたって、同じコトをしただろう。 手塚でも乾でも、真田でも柳でも。 手離したくない大事な仲間なんだって、そういう気持ちは変わらないんだから。 だから、怒って、怒られて、喧嘩して、笑い合って、まるで兄弟みたいにさ。 そういうのも、なんか家族みたいでイイんじゃない? |
From: Renji,Y 終わってみれば、この一週間は本当にあっという間だった。 多くの出来事があって、 多くの思いを見つめて、 気がつけば、何よりも大事にしなければならない思いを目の前に差し出されて、 さぁどうする?と選択を迫られていた。 考える間もなく、無我夢中で手を伸ばしていた。 悩んでる暇なんか、ほんの少しも無かったんだ。 忍足を許すとか許さないとか、もうそんな問題ではなくなっていて、 ただ、この忍足侑士という人間を失わないためにどうすれば良いのか、 それだけを俺達はずっと考えていた。 跡部や向日だけではない。 俺も、弦一郎も、貞治も、手塚も、千石も……皆だ。 全部終わった後に、貞治に訊かれた。 弦一郎の事に対して、まだ許せないという思いはあるのか、と。 それに俺は……何の事だったか、と一瞬思い当たらなくて、 漸く閃いたそれについて、俺自身はもう苦笑を浮かべるしかなかった。 「そんな事、すっかり忘れていた」 そう答えれば、貞治に「蓮二らしいな」と笑われた。 ……どういう意味だ。 |
From: Genichirou,S もう少し忍足は、仲間を頼ることを覚えるべきだと思う。 それは甘えることや甘やかすこととは違う。 進むべき道に迷った時や、困難な壁が立ち塞がった時に、 手を引いて、背中を押して、そうやって進ませることだ。 言えばきっと俺達は、いつだってこの手を貸しただろう。 忍足は何も言わなかった。 だから、俺達は何もできなかったんだ。 周りに迷惑をかけないようにという気遣いは分かるが、 あいつのそれは気遣いというより拒絶だ。 それが感じ取れたからこそ、跡部は怒り向日も悲しんだのだと思う。 まるで頼りにされていないのだと、そんな風に感じてしまうからだ。 初めて「助けてくれ」と声を出して言った忍足に、 差し出された手は実に多数であっただろう。 あの時の事を思い返して、 「ほんま…全員やもんなぁ。驚いたわ」 と、感慨深く呟く忍足に、俺は 「当然だろう」 そう、言い返しておいた。 ああそうだ、当然なのだ。 それが例え忍足でなくとも、跡部や向日や他の誰であろうと、 決して一人だって欠ける事無く手を差し出すだろう。 その為の、仲間なのだろう? |
From: Kunimitsu,T 一蓮托生、という言葉が俺達には一番合っているような気がする。 それはくだらない馴れ合いで得るものなどではくて。 何があっても、どんな結果になっても、此処に居る全員で受け入れるんだ。 簡単そうに聞こえるが、だけどこんな事は誰とだってできる事じゃない。 もちろんそれに不安が無いわけじゃない。 これで良いのか、このままで良いのか、そんな疑問が自分の中に 湧き出すことだってあるだろう。 だが……きっと、俺は後悔しないと思う。 何があっても、どんな結果になっても、そこに皆が居るからだ。 不安が無いわけではないけれど、 だけどそれも、この仲間達となら悪くないんじゃないかと思う。 |
From: Yushi,O いっぱい、辛いことも苦しいこともあった。 けど、それと同じだけ、俺は幸せやった。 それはきっと、今、此処にこうやって皆が居てくれるからや。 自分の気持ちに正直になれと、教えてくれたのは他でもないコイツらやった。 巻き込みたくない。それは本音や。 けど、離れたくなんかない。それも、本音や。 せやから俺はもう大丈夫。 心から信用できる皆が居てくれるから、俺はちゃんと前を向ける。 厳しいけど優しい、みんなの居る………此処が、俺の居場所なんや。 此処に来れて、新しい仲間と出会えて、俺はほんまに幸せや。 この幸せをずっと手の内に入れておくためなら、俺は何だってできると思う。 何とだって、戦えると思う。 離れたくないから、やけど巻き込みたくもないから、俺は戦う。 皆を守るために、俺は強くなる。 皆が居ることが、俺に力をくれるんや。 ありがとう、なんて言葉では言い尽くせへん思いやけど、 せやけど言わずにはおられへん。 傍に居ってくれて、ほんまにありがとう。 ほんで、これからもヨロシクな。 |
Their friendship
is here now. Then, it will continue long …
本編で書き足りなかった部分をこの場で補足してみました。 書き足りなかったというか……書けなかった心の内側、ですね。 特に書きたかったのは、忍足と千石と手塚。 この3人はある意味でホントに判り難いヤツなんじゃないかなー なんて思っていましたもので。 書けてスッキリしました。 これで本当に『ONE WEEK』はおしまいです。 お付き合い下さって本当にありがとうございました!! 最後に。 高校生メンバーは成り行きで選んだんですけれども、いつか 『このメンバーでないと、こいつらじゃないと、意味が無いんだ』 と思ってもらえるようになれば…と願ってやみません。 |