忍足くんといっしょ。

 

 

 

 

 

や ・ やり手やな・・・なかなか

 

い ・ 一緒に帰りたい?別に・・・構わへんけど?

 

ゆ ・ 幽霊が出るねんて、そこ・・・ (&跡部、&向日、&千石)



「ホンマに幽霊が出るねんて、そこ・・・」
忍足がポツリと漏らした言葉に、向日と千石がゴクリと喉を鳴らした。
学校の傍にある、既に廃墟と化した病院の事だ。
余りにも暇を持て余した千石がこのネタを持ち出して、向日に肝試しを
しないかと声をかけに6階まで来たのだが、そこに居合わせた忍足の
発言が、こうだ。
何となく、忍足が言うと真実味があるような無いような。
「ほ、ホントにー…?」
「俺は嘘は言わへんよ?」
「ホラは吹くけどなー」
「うわ岳人、いらん事言いなや!」
折角止めてやろうとしたのに。
拗ねたようにそっぽを向くと、あははと笑う向日の声。



「だーいじょうぶだって!!
 『音』も聞こえた事ねーし」
「中入ったら解らへんやんか」
「ヤバかったら逃げてくるって。
 何ならお前も行く?
 お前は『感じる』から、来てもらえると嬉しいな〜」
「……お前も、相当ヒマなんやろ」
「へへ、当たりー」



千石に聞かせられないような人知を超えた会話は、少し離れたところで
小声で交わして、あくまで気楽に笑う岳人に忍足は吐息を零した。
「もう、勝手にせぇよ」
「やっりィ〜!!じゃあ千石、侑士も連れて行こうぜっ」
「ラッキー!人数が多い方が何かと心強いからねェ」
じゃあ懐中電灯と、カメラとかビデオとかも乾から借りてきて〜、
と、話込む2人に、忍足があ、と声を上げた。
「そうや岳人、跡部も連れて行こか」
「え?」
「アイツも居た方が、もっと便利やしな」
「………あー、そっか」
跡部が持つ神に認められた手は、ある意味便利で最強だ。
「ほな跡部、決まりな」
「ちょっと待てテメェら!!」
それまでソファに寝そべって本を読んでいた(話に寄りたくなかった
からだろうが)、跡部が、慌てて身を起こして声を荒げた。
「何で俺様まで付き合わなきゃならねェんだ!!
 テメェらで勝手にやれよ!!」



「「拒否権ナーシ」」



必要なものをメモに書き出しながら、忍足と向日が同時に答える。
「冗談じゃねェ!!」
「何や跡部、もしかして怖いんか?」
「アーン?俺様に怖いものなんてあると思ってんのか?」
「ほな構へんやん。どーせ暇なんやろ?決定決定ー」
さらりと流す忍足に、跡部が益々眉を顰めた。
どうなっても知らねェからな、と。



「ご愁傷様だねぇ、跡部くーん」



千石に慰められてチッと舌打ちを漏らした跡部は、
こうなったら全員召集して道連れだ、とばかりに携帯を取り出した。



<終>

※跡忍岳は3人揃って霊感持ち。詳しくは通常SSのの『Sacred Lands』を。
  そして今夜は肝試し大会。

 

・か行「腐れ縁ってやつかのう?」

↑上記を先にお読み下さい。↑




え ・ えー加減にせい! (&岳人) 



「侑士ーー!!ゆうしッ!!頼む!!一生のお願い!!」
「岳人の一生はお願いばっかやな……何やねん」
「何も聞かずに、このピンクのリボンでぐるぐる巻きにされてくれッ!!」
「・………はっ倒したろか」
「頼むって!ちょっと今ピンチでさ、プレゼント買う金無かったんだよ!!
 だから俺のために、跡部への誕生日プレゼントにされてくれ!!」
「されてくれて……お前そんなコトしたかて、アイツが誤魔化されるわけ…」
「あるッ!!侑士だったら絶対大丈夫ッ!!」
「力説すんな……って、お前、コラやめッ!!」
「問答無用!!」
「えー加減にせい!金欠やからって俺を使うなーーー!!」



<終>

※跡部の誕生日前日。



がっくんはお金が無い。(笑)
きっと遊びすぎですな。ええ。

 

よ ・ よう言うわ、自分のこと棚に上げて