忍足くんといっしょ。

 

 

 

 

 

さ ・ さっぱり分からん (&日吉)



「で、どうやねん日吉?」
「……何がですか?」
「自分の気持ちが知りとぉて、岳人追っかけてまで此処に来たんやろが。
 それで、結論は出たんか?」
「どうでしょうね」
「うわ、ここまで聞かしといてはぐらかしよる…」
「忍足先輩が無理矢理聞き出したんでしょう?」
「うーん…まぁ、そう言えへんコトもないなぁ」
「そうとしか言えないんですよ」
「ほんで?結局どうやったん」
「やっぱり訊くんですか」
「やって、気になるやん、やっぱり。
 そんでほんまにそうなんやったら、俺がキューピッドになったっても
 ええかな〜、なんてな?」
「気持ち悪いんでやめて下さい」
「うっわキツっ!!いつからそんなキツいこと言う子になったんや日吉!」
「最初からこんなモンですよ」
「ヒドいわ!!お母さんはアンタをそんな子に育てた覚えないで!?」
「俺はアンタに育てられた覚えがありませんよ」
「……。」
「……。」
「…ほんまに、ああ言えばこう言う奴っちゃな……」
「お互い様です」
「………拗ねんで、しまいに」
「仕方無いですね……なんて言えば良いかまだよく分からないんですけど、」
「うん?」


「やっぱり、目の届くところに居てくれると落ち着きますね」


「そうなん?」
「そんな感じになりませんか?」
「………さっぱり分からん」
「じゃあきっと、忍足先輩は違うんでしょうね」
「……ああ、そぉか、そういう事か」
「ちょっと、一人で勝手に納得しないで下さい」
「あんな、日吉、」
「はい?」



「俺もな、跡部と一緒に居ると、凄い落ち着くんよ」



だからきっと、それは『好き』という感情。



<終>

※なにノロケあってんだコイツら……。(汗)

 

し ・ 知り合いっちゅうか・・・なぁ?

 

す ・ 好きなもんは好きやねん (&向日)



「なー、跡部のドコがそんなにイイわけ?」
何の前置きもなく突如訊ねられたその内容に、一瞬忍足がキョトンとした目を向けた。
「…あんな、岳人がそれ訊くのは今更すぎると思わへんか?自分で」
「思うけど」
「どうせまた、跡部に苛められでもしたんやろ?」
「解ってんなら何とかしてくれよ!」
「無理やし。俺の言う事なんか聞くわけあらへんやん?」
「……そうだけど」
ぷうと頬を膨らませた状態で、向日がテーブルに突っ伏した。
時々、跡部にからかわれたり苛められたりした向日が、2階に逃げてくる事がある。
別にそれは日常的な事柄で、向日の気が済むまで愚痴に付き合ってやれば
その内戻っていくのだけど。



多分、向日は気付いていない。
そうやって構ってくる事こそが、跡部なりの愛情表現だという事を。
……まぁ、それこそ堪ったモンじゃないと言われればそれまでだが。



結局2時間ほど話に付き合ってやれば、向日はケロっとした顔で部屋に戻っていった。
「全く……跡部も難儀やけど、岳人も難儀なやっちゃなー……」
玄関先まで見送って。



「好きなもんは好きやねん」



跡部も、モチロン向日も。



しゃーないやんなぁ、と呟くと、忍足はドアを閉じた。



<終>

※真田弦一郎氏は不在。 305に逃げたか。(笑)

 

せ ・ 世話んなるわ (&跡部)



「……別に、来たいヤツだけで良かったのによ」
「ん?」
「お前、最後の方は強制連行に近かったろ」
「せやって、人数多い方が楽しいし。皆行くのに1人だけ行かへんってのも
 なんか寂しいやん?」
「まぁ……俺はどっちでも良いけどよ。
 お前が来りゃ、それでな」
「…うわぁ、正直やなぁ、跡部……。
 ま、ええか。今年も世話んなるわ」
「ああ、来年も、再来年もな」
「………決定事項ですか」
「文句あるか?」
「いや、あらへんけどな」



<終>

※何気に、あ・「アカンってそれは!」の続きっぽく。
  忍足は跡部に絶対勝てないと思っている。

 

そ ・ そんなに言うんやったら・・・