前からいけ好かないヤツだとは思ってた。
それでもあの人は、昔からこうと決めたら梃でも動かない人で、
真選組の一員として受け入れるという言葉に、俺は従うしかなかったわけで。
殺されそうになっていると知った時には、何としても助けなければという気持ちと同時に
だから言わんこっちゃない、と頭痛がしてきたものだった。
初めて真選組という組織を知った時に、僕の欲しかったものを漸く見つけた、と思った。
あの組織、あの世界、全てが欲しい。
そして、僕という存在を全てに思い知らせてやりたい。
だから、手始めに真選組の内部の人間をいくらか手駒に加え、
必要とあらば外部の敵対組織とも手を組んだ。
欲しかったんだ、あの場所が。
皆に注目され愛される、あの場所が。
だけど、あの男ですら気付かなかった本心を知ってか知らずか見抜いていたのは、
俺じゃなくて、近藤さんの方だった。
つまんねェ野心も、謀略も、全てはほんの一握りの寂しさから来てただけだったってこと。
近藤さんはアイツを許そうとしたけれど、だけど俺にはできなかった。
だって、そうだろう? 組織ってェのはそんな甘っちょろいモンじゃねェ。
既にアイツは、決してやっちゃならねェ所にまで足を踏み込んでやがったんだ。
僕自身、気付くのが遅すぎたのだと思う。
あの人に言い当てられるまで、その事には全く気付かなかった。
そうだ、欲しかったものはこんなモノじゃなかった筈だった。
人の上に立ち、言い様に動かすような場所が欲しかったのか?
違う、そんなものが欲しかったわけじゃない。
ただ……皆と肩を組んで笑っていられる、そんな世界が欲しかったんだ。
たったそれだけの事だった筈なのに。
どうしてかなァ……そこに既に在ることすら、僕には分からなかったんだ。
不思議なモンだ。
俺の護ろうとしているものと、
僕が手に入れようとしているものは、
全く、同じものだったのに。
なのにほんの少しのすれ違いが、
全部、壊しちまうなんて。
アイツは、僕の唯一の理解者だったんだ。
僕の中のドス黒い危険なものを、直感でだろうかアイツは気付いていた。
だけどそれは僕も同じだ。
アイツの中にある黒いモノを、僕だけが知っていた。
認めたくないが、確かにあの男が一番俺の気持ちを理解していただろう。
それを知って尚、全てを壊し手に入れようとするのなら、こっちにだって
容赦してやる理由はない。
どんな手を使ってでも、俺は俺が護ると決めたモノを、全力で護るだけだ。
真選組を? いや、違う。
俺が唯一認めた大将をだ。
刀を握った時に、利き腕が無事で良かったと思った。
例え此処で自分の命運が尽きてしまうとしても、それでも構わなかった。
大変な間違いを犯していたのだと気付いた時には、全てが遅すぎたのだから。
だから、僕は此処で決着をつけなければならない。
僕が引き起こしてしまった事の、責任を取らなければならないんだ。
もし、もっと違う出会い方をしていたならば、
アイツは自分の親友となり得ただろうか?
今更何を言っても詮無きこと。
もはや、お互いに刀を握って斬り合うしか術は、ない。
<終>
ぬああ…。なんか、書きたかった事の半分も出せなかった気が…!!(汗)
自分の語彙の少なさと表現能力の拙さに反吐が出そうになったヨ……おおお…!!
私の目から見て、土方と銀さんより、土方と伊東の方が似てると思うんだけどな。
なんていうか、土方と銀さんは犬猿の仲なんだけど、土方と伊東は同属嫌悪みたいなカンジ。(笑)
うん、そんな違い。