あとがきは余韻の冷めた頃に読んだ方が無難。
まずは、ここを読んで下さっている方々は、最終話まで辿り着いて下さったのだと
思います。本当にお疲れ様でした&有り難うございました。
なんというか、こういう話を書いてみたいなという気持ちだけで漠然と
書き始めたものの、書けども書けども終わりは見えず、しまいにゃ最初に
考えてた話と展開が変わっちゃったりなんかして、大変手のかかる作品と
なってしまいました。
けれど、どういう形であれ、きちんとひとつの結末を迎えさせてENDマークを
つけられた事に、少しの達成感も感じます。
話としてはまだまだ未熟で、矛盾してる点もきっと多かったのではないかと思います。
長編のストーリーの組み立て方が上手くない、というか、根本的に下手なんだろうなと
自分反省中だったりするんですが。(笑)
近藤さんのために皆が頑張る話、というのが書きたかったわけなんですが、
皆はそれでいいけど、それなら近藤さんはどういう風にしたら良いかなと考えて、
考えた末がアレかよ!みたいなカンジになっちゃったんですが。
ええと、どう言えばいいか。
近藤さんスキーの皆様方、本当に本当に申し訳ございません!!(土下座)
どんなどん底にいても折れずに立ち上がる姿、それだけはキチンと出せてれば
少しは……と、それだけを願うばかりです。いや、ホントすいません。
後から読み返したらきっと、恥ずかしさやら何やらで消したくなること山の如し
だと思いますので、自分ではもうあんまり読み返さないようにしとこうかなぁ
なんて考えてます。(苦笑)
これはこれでひとつの世界なので、終結した以上は触らないでおこうかなと。
お妙さんと九兵衛がちょっと宙ぶらりんな気もするんですけど、まぁ、あれは
単に九→妙が書きたかっただけというか……エピローグ(最終話)にせめて
九兵衛は出せば良かったかな…うう、やっぱし反省。
万事屋も真選組も、この後はもういつもと同じ、馬鹿で粗野で騒がしい毎日が
続いてゆきます。なので一応のところは、目出度し目出度しということで。
本当に、有り難うございました!!
2008年5月 佐伯みのる
↓では、最後までお付き合い下さった有り難い皆様に、最後に1ショット↓
「近藤さん」
屯所まであと少しというところまで来た頃に、土方は少しだけ前を歩いている
近藤を呼び止めた。
それに足を止めてくるりと振り返ると、近藤は口元に笑みを乗せて応える。
「なんだ、トシ?」
「聞き忘れてたことがあったんだけどよ、」
「ん?」
続けてどう言おうか迷ったのか、そこで土方は口を噤んで視線を地面へと向ける。
人通りの少ない通りに、土方の声はよく響いた。
「近藤さん、俺は………アンタを守れただろうか?」
少し驚いたような表情で、近藤が軽く目を見開く。
気まずいのか視線を逸らしたままの土方に小さな苦笑を浮かべて、近藤はその頭に
両手を伸ばした。
まるで子供にでもしてやるように、ぐしゃぐしゃと髪を掻き回すように撫でる。
「うわッ!?
な、なにすんだよ近藤さん!!」
「あははは!!馬鹿だなァ、トシは」
一頻り大声で笑った後に、まだ収まらないのかくつくつと笑い声を零したままで、
立ち尽くすその肩に額を預けるように乗せた。
「ああ……大丈夫、大丈夫さ、トシ」
「……?」
沢山の間違いを犯した。沢山の罪を犯した。
けれど、今此処でこうやって立っていられるのは、
助けてくれた沢山の仲間達のおかげ。
だからこそ、それに応えるために。
犯した罪を償うために。
たとえどんなに辛くても、自分は歩き続けなければならないのだ。
そして同時に、思う。
彼らがいれば、自分は何度だって立ち上がれる。
彼らが在るその傍に、自分も永久に在り続ける、と。
「トシ、笑ってくれ」
今度はそれを守り通そうと、今ここに誓うから。