オレの力は『純粋』なんだって。


そんな清らかなもの、オレには似合わないのに。







< Requiem 〜ボクからキミへ〜 >







正直、イマイチよく意味が分からないんだ。
勇気も正義も慈愛も闘志も、意味は分かるしそれが力っていうなら
そうかもしれないって納得もできる。


けど、純粋ってなんだろう?
純粋な力ってことなのかな。
確かに、神様がよってたかって作ったっていう竜の騎士の力なら、
純粋なる力って言ってもいいのかもしれない。



って、ポップに話したら大爆笑された。










そんなに笑うことないのに。
でも、笑いながらポップが「じゃあ、神に認められた竜の騎士しかその石は
光らせられねぇのかよ?」って言うから。


ああそうか、つまり、だから、そういうコトじゃないんだ。
けど、それじゃあやっぱり、純粋ってどういう力なんだろう。
やっぱり分かんなくなってポップに訊ねたら、少し困ったような顔をした。
どうしてだろう、どうしてポップがそんな顔をするんだろう。










勇気にしろ正義にしろ、慈愛でも闘志でも。
それは全部、ココロの力なんだよ。

もちろん………純粋も、な。





そう、ポップが言った。
つまり、オレのココロは純粋、ってこと?
言葉の意味は、それなら分かる。
でも、分かっても納得はできなかった。
だってオレのココロは純粋なんかじゃないから。
綺麗じゃない。むしろ、醜い。
本当は目の前の存在に手を伸ばしたくてしょうがないのに、触れたらコイツが
穢れてしまいそうで、だから、触れない。
だってポップのココロは、オレなんかよりよっぽど、綺麗だから。







黙ってしまったオレに、ポップは苦笑いを浮かべるだけだった。
けれど、その顔が少し泣きそうだったのは、きっと見間違いなんかじゃない。







どうせこんなオレの気持ちも、ポップには全部お見通しなんだろう。








<終>



※この想い、知っているの?