それは、ある日の出来事だった。
来るべき日が来たのだと、今ではそんな風に思えてくる。
3人で集まって、騒ぐ日々が終わりを迎えるのだ。
<The footsteps of the dragon. 〜歓びの唄〜 >
「へぇぇ〜……あの姫さんが結婚、なぁ…」
「うん、オレも今日聞いてビックリした」
日もすっかり落ちきって、皆が日々の疲れを癒す時間。
そんな時刻にポップの部屋に転がり込んでいたダイは、昼間にレオナ付きの
女官から聞いた話をしていた。
レオナの、正式な婚姻が決まったのだと。
「なんでも、相手はレオナに負けず劣らずの天真爛漫でざっくばらんな人、
……って言ってたよ」
「ほー、そうかいそうかい。
だったら姫さんの無鉄砲さに手を焼くこともねーだろうな。
むしろ、一緒になって騒ぎでも起こすんじゃねぇの」
「言えてるね」
男2人が並んで寝ころんでもまだ充分に余裕ができる寝台の上で、まるで
眠る前の雑談のような緩やかさでぽつりぽつりと言葉を交わす。
その傍で、椅子の背もたれの上に落ち着いていた幼竜の姿をした神の使いも
少し興味があったのか2人の会話に耳を傾けていた。
「………なぁ、ダイ」
「なに?」
「そろそろ……潮時なのかもしれねぇな」
「え、なにが?」
ごろりと仰向けに寝返って天井を見上げたまま言うポップに目を向けて、
ダイが不思議そうに首を傾げる。
「なにがって、パプニカに居座ることがさ。
ただでさえ姫さんの友人って立場でタダ飯を食らい続けてたし、これ以上
厄介になるわけにはいかねぇだろ。
それに……姫さんが結婚するっていうなら、尚更だ」
「……そういうものなの?」
「そういうモンなんだよ。
ま、お前はまだまだお子様だから、難しいコトは分かんねぇかも
しれねーけどな」
「どういう意味だよッ!!」
ポップの揶揄いを含んだ声音に憮然とした表情で返して、ダイは枕の上に
顎を埋めて小さく唸った。
此処はとても居心地がいい。
大好きなポップもレオナも傍にいる。
2人だけでなく、知り合いの兵士や女官も増えた。
できることならずっと此処にいたいけれど、ポップがそれをいけないことなのだと
言うのであれば。
「オレは、別に構わないよ、ポップ」
「……ダイ?」
「ポップと一緒なら、何処だって楽しそうだ」
正直な気持ちを口に出して、ダイは照れ臭そうに笑う。
それを見遣って、ポップはそうか、と一言小さく呟いた。
少し考え事をするかのように視線を宙に彷徨わせて、どっこらせ、と声を出して
寝台の上から身を起こす。
つられるようにダイも起き上がると、どうしたの?と疑問を口にした。
「ダイ、お前は何処に行きたい?」
「え、ど、何処って…?」
「だから、此処を出て何処に行きたいかって訊いてんだよ」
「うーん……」
「オレは、行きたいトコロがあるんだ」
「どこ?」
腕組みをして悩んでいたダイが、ポップの言葉に顔を上げる。
興味を引かれたのだろう、期待の籠った眼差しに片目を瞑って笑うと、ポップは
普段から肌身離さず身につけていた首飾りを指先で摘んだ。
「破邪の洞窟さ」
確か、レオナ達がミナカトールを覚えるために潜った洞窟の名だ。
そして師であるアバンもかつて、その場所に行ったという。
どんな場所なのかは行った事が無いので分からないけれど、挑戦者を迎え入れてくれる
場所なのだろうという事はダイでも想像ができる。
「そこに行って……どうするの?」
「バーカ、あそこに行ったらやることなんて1つっきゃねぇだろ?
聞いた話によると、各階ごとに色んな呪文や魔法道具が手に入るらしい。
しかも、あの洞窟の最深部には、未だかつて誰一人到達した事がないって話だ。
………挑戦してみたくならねぇか?」
「で、で、でも……確か、地下深くったって10階や20階ってレベルじゃ
なかったじゃんか!!本気でやる気なの!?」
「おーよ!まだ見ぬレアな魔法と契約できるチャンスじゃねーか、
こりゃやってみるっきゃねぇだろ!?」
「ポップ、………なに、考えてるのさ」
ぐっと拳を握り締めて言うポップに、少し不審な色を浮かべたダイが静かに問うた。
まだ見ぬ冒険に心躍らせている、という風には見えない。
どちらかと言えば今のポップの目は、無謀なものにチャレンジする事を決めた時のそれだ。
力の及ばぬ強敵と対峙した時のような、一種の覚悟のような。
「なんか……危ないこと考えてない?」
「オレがそんな危険な事に首突っ込むような人間に見えるかよ」
「見えるから、訊いてるんだよ」
ダイに即答されて、ポップが言葉に詰まった。
人一倍臆病なのだと豪語しているポップだが、その言葉を真に受けるほどダイは
彼のことを知らないわけじゃない。
むしろ、逆なのだと思う。
最後の最後で臆病な自分を打ち消して、どんな絶望も乗り越えていく勇気を
ポップは持っているから。
だから心配なのだ、そういう意味では自分などより余程彼は無茶なことをする
タイプと言える。
「………なぁ、マザードラゴンさんよ」
『何でしょうか?』
「アンタ、ここ暫くでどのぐらい力が戻ってる?」
『そうですね………微々たるものです』
「やっぱり、ダメなんだな……」
「ポップ?」
はぁ、と重いため息を零したポップに、ダイが不安そうな目を向けた。
どうしたというのだろう、最初はレオナの目出度い話をしていた筈なのに、
いつの間にか此処には重たい沈黙が流れている。
少しの居心地の悪さを感じながら、ダイはポップの言葉を待った。
きっと、話してくれる筈だから。
「もっかい訊くけどよ、ダイは行きたいところはないのか?」
「オレ?
……う〜ん……じゃあ、デルムリン島」
「デルムリン島?」
「うん。久々にじいちゃん達に会いたいんだ」
「………そっか。」
ダイの言葉に深く頷いて、ポップは暫く考え込む。
そして漸く考えが纏まったのか、よし、とひとつ声を漏らしてポップはダイの
肩に手を置いた。
「そんじゃ、パプニカを出たら、まずはデルムリン島だ」
「ポップ?」
「で、じいさん達の顔を見た後に破邪の洞窟へ行く」
「だからさ、一体何を…」
「オレが使えそうな呪文を取れるだけ取ったら、」
「ポップ!!」
わけが分からず焦れたようなダイを余所に、ポップの目は幼竜の方へと向いた。
「冥竜王を、倒しに行く。」
驚いたのは、ダイだけではない。
思わず目を見開いて、幼竜が声を上げた。
『な…何を言うのですか、ポップ!!』
「だって、アンタの力は全然戻ってないんだろ?
その理由の大半は、冥竜王のせいなんじゃねぇか。
だったらソイツを倒せば、万事OKって、な」
「ポップ!イキナリ何言うんだよ!!
冥竜王って言ったら、バーンと肩を並べる魔王じゃないか!!」
「ああそうさ、ソイツを退治しに行こうって言ってんだよ」
『危険です!せっかく地上に平和が戻ったのですから、
貴方達はそれに甘んじていれば良いのです』
「そうだよ、ポップにそんな危ないことさせらんないよ!!
どうしても倒さなきゃなんないのなら、オレが…」
「待った、ダイ」
言い募ってくるダイの口元に手を当てて、ポップはしかめっ面を隠すことなく
反対の手でダイの頭を小突いた。
「お前なァ、オレがそうしてぇって言ってんのに、なんでお前だけを
行かせなきゃなんねーんだよ」
「だって…!!」
「なぁダイ、良い機会だから、ハッキリ言っておくぞ。
もしかしたらお前にとっちゃあ、ちょっとキツい事かもしれねぇけど、
ちゃんと聞いてくれ」
「………なに?」
姿勢を正して真っ直ぐに見据えてくるポップを見つめ返して、自然とダイの姿勢も
改まった。
きっとこれからポップが話す事は、とても大事なことなのだろう。
それが伝わったから、口を噤んで彼の言葉を待った。
「オレは、前の戦いの時に一度、死んでる」
「……うん」
「それで、お前の親父さんの血を受けて生き返った。
ここまではいいな?」
「うん…」
言い聞かせるようなポップの言葉に、ダイは俯いたままで沈んだ声を漏らす。
どこか居た堪れなくなって、膝の上に置いた手がぎゅうと服を握った。
「その時点で、オレの中にはもう竜の騎士の血があるんだ。
まぁ……純血のバランには比べモンにならねぇし、半分しか血を引いてない
お前と比べても、ホントに微々たるモンだけどよ」
「でも…」
「オレは最初、その竜の血の意味が分からなかった。
だって、オレはお前みたいに竜闘気が使えるわけじゃねぇし、
普通の人間と何も変わらない生活してたからな」
「ポップは人間だよ!!
ランカークスに居る両親は、どっちも人間じゃないか!!」
「ああそうだ。
だけど、ジャンクとスティーヌという夫婦から生まれたポップは、
バランとの戦いの時に死んだんだ」
「…ッ」
返す言葉が無く、ダイは悔しそうな表情で俯いた。
そもそもポップが最初に命を落とす原因を作ったのが、自分だからだ。
父親の手によって記憶を奪われた、それさえ無ければきっと現状はもっと
違ったものになっていた筈だ。
「で、マザードラゴンに出会って、お前と再会して、分かったことがある」
「分かったこと…?」
「ひとつは、オレの魔法容量が人間で扱える量を大幅に超えていること。
もうひとつは、オレの成長が止まっちまってること。
まぁ……成長の方はどうか知らねぇけどな。
止まってるんじゃなくて、オレもお前も物凄く時間の流れが緩やかに
なってるだけかもしれねぇし」
「ポップの魔法力って……そんなに強くなってるんだ」
「ああ、そもそもお前を連れ戻すために使った魔法自体が、人間に扱える
シロモノじゃなかったんだからな。
とはいえまぁ…後で死にかけてた事を考えると、お前ほど頑丈には
なれてねぇみたいだし……それでオレはひとつの仮説を作ったんだ」
「仮説?」
「そうだ。
オレの中の竜の血は、オレの魔法力に強く作用している。
だからお前が竜闘気を扱うように、オレは魔法力自体を身に纏える。
まぁ、闘気の魔法力版だと考えれば解り易いかもな。
全く……つくづくオレは魔法使いなんだと実感しちまうぜ」
「ポップ…」
「おっと、オレがホントにしたい話はこんなコトじゃねーんだった」
ダイが余りにも分かっていないからつい細かく説明してしまったが、
本当はこんな話がしたいわけじゃない。
本当に言いたいのは。
「オレはもう、お前と同じになった。
だから、弱い人間を守ろうとするように、オレを守るのはやめてくれ」
大きく見開かれたダイの双眸に表れていたのは驚愕で、ポップの表情から苦笑が
滲み出る。
「お前が守りたいもののために戦ったように、オレにも守りたいものがあれば
戦いたいと思うんだ。
それを危険だからって理由で止めるんだったら、オレはお前を置いて行く」
「そんな……」
「オレとお前は対等になったんだと、それがオレの思い上がりだと思うなら
ここで手を離してくれ」
「……ポップ」
胸が締め付けられるような感覚に、ダイは胸の辺りを手で押さえた。
どう言えば伝わるのだろうか。
確かに守りたいもののために、地上で生きる皆を守りたくて自分は戦った。
明らかに人間の範疇を超えている戦いで、巻き込みたくなかったから仲間を
突き放したこともあった。
それでも、最後まで隣にいてくれた親友のことは忘れていない。
化け物だろうが何だろうが、ダイはダイだと言って傍に立っていてくれた。
だからこそ、一人じゃないと最後まで思えたのだ。
人間を死なせたくない、地上を守りたい、そう最後まで思えたのはポップが
そこにいたからだ。
そうでなければきっと、バーンの強さを突き付けられた時点で自分はそこから
逃げ出していただろう。
実際、逃げ出してしまったのだ。
だけどそれを連れ戻してくれたのも、ポップだった。
どれだけその存在を大切にしているか、彼自身はきっと分かっていない。
「………人間、だから…?」
「ダイ?」
「人間だからとか、弱いからとか、そんな理由でオレがポップを止めてると
本気で思ってるのかよ……」
ぱたり、と膝の上に乗せた拳に雫が落ちる。
どう言えば分かってもらえるのか、それが分からない。
分からないなら、思った事をそのまま口に出すだけだ。
「例えポップが大魔王並に強くったって!!
オレや父さんより強くったって!!
それでもオレは同じ事を言ったよ!!
ポップが大事だから、何度だって言うよ!!」
ポップは、酷く驚いたような顔をしていた。
「なんで分からないのさ!!
オレは……オレは、ポップを失いたくないだけなんだよ…」
顔を俯かせたら、ぱたぱたとたくさんの水滴が降って来た。
静かに嗚咽を漏らすダイの姿を暫く呆然と見遣ってから、ポップは少しだけ
何かを考えるように目を閉じる。
このままでは埒が明かない。
「なぁ……ダイ。
オレがどうして冥竜王を倒したいか、解るか?」
「え……そ、それは、マザードラゴンの力を取り戻してあげたいからじゃ…」
「結果的にはそうなんだけどな、それじゃ質問を変えてみようか。
このまま放っておいたら、マザードラゴンはどうなると思う?」
「………………。」
流石に答えが出ないのだろう、ダイは難しい顔をしたまま視線を下に向けた。
「マザー、この分からず屋に教えてやってくんねーか」
『ポップ……』
「今すぐじゃないのかもしれない。
遠い遠い未来の話なのかもしれない。
けど……いつか絶対そうなるんだろ?
アンタが取り戻す力の量より、奪われていく量の方が多いんだからな」
「え…ッ?」
ポップの言葉に驚いて、ダイは幼竜の方へと視線を向けた。
しかし、先ほど竜はポップの問いに答えていたではないか、微々たるものだが
力は戻っている、と。
『……私の力が戻ったのは、神の涙の力を受けこの姿になったからです。
精神体でいるより余程消耗が少なくて済む、だから…正確には余ったと
言った方が正しい』
「それじゃあ……ホントに?」
『神々の力が冥竜王の封印に使われているのです。
そして…その中には勿論私の力も含まれています』
「もし……このままの状態だったら…?」
『遠い将来の話になると思いますが、最終的に私は消滅するでしょう。
そしてその時は……私から生み出された竜の騎士も存在する事ができません』
「つまり、だ。
マザードラゴンが死んだらオレもお前もお陀仏、ってこった。
そんで、放っておいたら確実にその時は来る」
分かり易いように噛み砕いてポップが説明すると、ダイが呆然とポップを見上げた。
マザードラゴンの存在意義なんて、実のところ今の今まで考えた事が無かったからだ。
何のために存在しているのか、そしてどのような役目があって、自分達竜の騎士と
どういった繋がりがあるのか。
大まかに、竜の騎士を作り出した存在、ということは知っていた。
しかし、それだけだったのだ。
「………ダイ、お前…言ってくれたよな?
オレを失いたくない、ってさ。
正直言うと、嬉しいよ。
けどな………オレだって、同じなんだ、
そんでな、オレはもうちょっと欲張りなんだ」
「どういうこと…?」
「オレもダイを失いたくはない。
ついでに言えば、オレも死にたくなんかねぇのさ。
それもオレの預かり知らぬところで勝手に殺されるなんざ御免だね。
だから………それなら、冥竜王と戦いたいと思うんだ」
「ポップ……」
「もし返り討ちにあったとしても、力及ばずの方がよっぽど納得できらァ。
もちろん、お前の力もあった方がオレとしてはより勝算が………って、
おわあァァァッ!?」
突然目の前のダイに飛びつかれて、ポップは支えきれずにベッドの上に転がる。
スプリングがきいていたので然程ダメージはないが、とにかく驚いた。
「ちょ…ッ、いきなり何すんだ、ダイ!?」
「ポップ!オレ、オレねッ!!」
「あーあーハイハイ、分かった、分かったから落ち着け!!」
漸く伝わってくれたのだろう。
前の戦いは、地上に住む者全てを守るための戦いだった。
けれど、今度は違う。
神々の力で封印されている以上、今生きているこの地上への脅威には
なり得ない。
だから敢えて今、そんな理由で戦う必要は何処にもない。
マザードラゴンを守るためと言えば聞こえは良いが、とどのつまり。
「今度の戦いは、オレ達だけの戦いだ。
オレ達が生き残るためだけの戦いだ。
地上のヤツらを巻き込むわけにゃいかねーだろ?」
だからお前が協力しろよな、と言いながら、抱きついてきた相手の髪を
くしゃくしゃと掻き回すようにしてポップが言えば、何度も何度も
ダイは頷いた。
知らなかっただけだ、戦って負ければ死ぬ、放ったらかしにしていても
いずれは死ぬ。
生きる為には、戦って勝つしか道は無い。
「オレ……なにも知らなかったんだね」
「あ?」
「竜の騎士のことも…マザーのことも、冥竜王の封印のことも……なにも知らなかった。
恥ずかしいよ、コレでよく竜の騎士だなんて……」
「……まぁ、しょうがねーよ、コレばっかは。
今まではマザーがだんまり決め込んでいたからな。
オレは話の端々から繋ぎ合せて、たまたま冥竜王を倒さないと駄目だって
結論に行きついただけだし、ダイには分かんなくても仕方無いだろ」
「ど、どういう意味だよポップ!!」
「そういう意味だ」
納得いかないと食ってかかってくるダイに、ポップは肩を震わせて笑った。
けれどこれは全てポップにとって当たり前のことだ。
ダイには難しいことなど何も教えなくていい、代わりに自分が全て考えれば
済むだけのこと。
ただひとつ、行動を起こすその時に、隣に彼が居てさえくれれば。
「………お前は、そのままで良いんだよ」
「ポップ…?」
「そのままで、此処に……オレの隣に居てくれりゃいい」
「………うん。」
どこまでも共に行こうと思う。
唯一の魔法使いが、それを望むというのなら。
「マザーもそれで異論はねぇよな?」
『……確かに、経緯はどうあれ自分の力を取り戻すことができるというのであれば、
私が貴方達に言うことは何もありません。
ですが……恐らく、辛く厳しい戦いになりますよ?』
「そんなの!」
「百も承知だ!」
その言葉に顔を上げて力強く頷くダイとポップの顔を見遣り、竜は僅かにその
双眸を細めた。
マザードラゴンとしても死にたくはないと思っているのだ。
それは他の生を持つ全ての者のように、生きることに執着しているわけではない。
ただ、純粋に死なせたくないと思ったのだ。
己が生きることでそれが叶うというのであれば、自分にとって可愛いこの子供達を、
この先も生かし続けるために。
『しかし問題は、あの姫がそうすんなりと城から出してくれるかという事ですね』
竜の何気ない呟きに、ピシリとその場が凍りついたのは言うまでもない。
どうやら旅路の前にもうひと波乱有りそうな。
<終>
魔界編発生フラグ。(笑)
他所で色んな魔界編を拝見してきましたが、うちではこんなカンジ。
スタート時点から2人揃ってて欲しいなぁという自分の希望です。