<ACCIDENT・エピローグ>

 

 

 

「キャプテン・ウソップ様ふっかーーーーつ!!!」
甲板でウソップは大きく胸を反らせた。
傷ももう殆どが塞がっている。
元気な姿が見られて嬉しいのか、ルフィもチョッパーもいつもの1.5倍は
騒がしかった。
「ウソップ〜!!釣りしようぜ、釣り〜〜!!」
また遊べることが楽しくて仕方ないように、ルフィはぶんぶん釣り竿を振り回した。
「お〜し!!俺様のスバラシイ腕前を披露してやるか!!」
そう言いながら船の縁に向かうウソップを見遣ると、ゾロは大きな欠伸を漏らして
甲板の真ん中に寝そべった。

 

 

 

 

「あっ!!何かかかったぞ!!」
嬉々として、ルフィが釣り竿を引っ張る。
手応えを感じて、吊り上げたモノを見遣ると、どこか見覚えのある
白っぽくて小さな丸い実。
「……なんだコリャ。食えるのかな」
「ちょ、ちょっと待て!!コレは……!!!」
焦ってウソップが止めるが、白い実の事をどうやらスパッと忘れてしまっている
モノ忘れが良すぎる船長ルフィ。
「サンジぃ〜、この実って食えるか〜〜?」
そう言いながらルフィがキッチンへ向かおうとする。
「わあぁっ!!待てって、だからその実は…!!!」
慌てて追いかけようとするウソップの肩に、誰かが手を置いた。
…と思ったら、ルフィに近付き黙って後ろからその実を取り上げた。
「ゾロ…」
「あっ!!何すんだゾロ、返せ〜〜!!!」
そう言いながら突進してくるルフィを蹴飛ばして、ゾロはウソップに向き直った。
「コレか?」
「あ…あぁ、ソレだ」
「ふ〜ん…普通の果物に見えるんだけどよ」
「マズイぞ、それ。めちゃめちゃマズかった。俺は食ったんだから絶対だ」
「そっか、マズイのならいらねェや。
 またお前が小さくなっちまっても困るしな」
そう言うと、ゾロは海に向かうと、その実を持って大きく振り被った。
「とりあえず、コレでめでたしめでたしだ」
呟いて、ゾロはそれを力いっぱい投げる。
小さな白い、名前も知らない悪魔の実は、大きく弧を描いて飛んでいった。

 

遠くへ。

 

 

 

<終>

 

今になって読み返して、かなりの未熟文だと実感。(苦笑)

もっともっと精進したいと思います。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございますvv