「あれ、珍しいじゃないの、ガイ。
今日は子供達のトコ行かなくていいの?」
「ん?………もしかして、カカシは知らないのか?」
上忍待機所で、久々に見る顔。
そういうトコロで何故か、とても懐かしい思いを感じる。
なんだろう、やっぱり此処に居てくれないと、て、いうか。
ガイが俺に向かって差し出してきた任務の指令書は、
どうしたことか、俺と全く同じもの。
「Sランクの任務は、流石にまだあの子達には早すぎるだろう?」
ああ、俺と同じ任務、するんだ。
一緒に行動するのは顔を合わせる以上に久々だ。
嬉しいとか楽しみとかじゃなくて、どう言えばいいのか、この気持ち。
「やはりこういう時は、お前でないとな」
そう言って、ガイは笑う。
子供達に向けていたあの笑顔とは、全く別の。
言うなれば。
言うなれば、森の中で木漏れ日を浴びるような、暖かさ。
「………そんじゃ、ま、行きますか」
なのに俺が言えた言葉は、自分でも信じられないぐらい
気の利かないものだけだった。
自分でもちょっと情けないなぁって、思うワケ。