座り込んでるアイツの背中に自分の背を合わせるようにして、座る。
見晴らしのいい丘の上、遠くまで見通せる景色。
でも、俺とコイツの見ているものは、全く正反対。

 

 

「……カカシよ」

「なに?」

「お前には、何が見えている?」

「ガイとは反対側の景色」

「そうか」

 

 

何が「そうか」なのかサッパリ分からない。
でも、ガイは俺の言葉で妙に納得したようだった。

 

 

「でも、さ。ガイ?」

「どうした」

「俺がこうやって、少し首を動かせば、」

「……うん?」

 

 

ガイの黒髪が柔らかく頬に当たる。
そしてその肩越しに見える景色は、おんなじ。

 

 

「お前と同じものが、見えるよ」

 

 

ほんの少し、びっくりしたような顔をして、
次にはもう、ガイは笑っていた。

 

 

「なるほど、じゃあ俺も少し首を動かせば、
 カカシと同じものが見れるわけだな」

 

 

ね、だからこの距離もこの位置も、
そう悪いモンじゃあ、無いんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣に立つよりも、この方がしっくりくるんだ。