秋風の辛い季節になりました。
冬はもう、間近です。
テンテンが両腕を擦りながら、さむーい!って
叫んでるぐらいです。
事実、僕もちょっぴり寒さが身に染みてます。
そんな中で、表情ひとつ変えないのはネジです。
この人は、夏でも冬でも全く顔色一つ変わりません。
寒くないんですか?って訊いたら、寒いに決まっている、と
あっさり頷きはしましたが……それならそれで、
もう少し寒そうな顔をしたらどうなんでしょう。
ふと、ネジの手を見て、僕はビックリしました。
指先が真っ赤なんですよ。
思わず手を伸ばしてその指先を掴んだら、それはそれはもう
氷かと思うぐらい冷えてました。
やせ我慢もいいところです。
バカですか、ネジ。
そう言ったら物凄い顔で睨まれました。
でも全然ちっとも怖くなんてありません。
ぎゅっと指先を温めるように両手で包んで握っても、
ネジは何も言いませんでした。
振り解かれることも、ありませんでした。
キミの手が温かくなる頃には、ボクの手も温かくなっている筈。