「……珍しいですね、ナルトくんが此処に来るなんて」

「あー…やー……なんっつーか……たまたま、だけどなァ」

「何か、僕に用でも?」

「……そういうのでも、ねぇんだな、コレが」

「? もう時間も遅いですよ?
 おうちには帰らないのですか?」

「ん〜……家は、あるけどよォ……そこが帰るべき場所かは
 わかんねェんだ」

「………。」

「まぁ、帰っても一人だしな!」

「……………ナルトくん、」

「なんだ?」

「あと10分ほど、待てますか?」

「へ?」

「僕の修行メニューも、あとひとつで終わりなんです。
 これが済んだら、一緒にご飯でも食べましょう」

「………ああ、イイな!」

 

 

 

 

 

 

※夜の演習場にて。ナルトとリー。
 ナルトは持ち前の嗅覚で、自分に優しくしてくれる人を
 嗅ぎ分けているといい。

原題:「家は、あるけれど…そこが帰るべき場所かはわからない」